誰もが知るAmazonですがその倉庫を見る機会はなかなかありません。
私も AWS Summit に行った時のセッション内の動画で見たのがほぼ初めてで、最先端だなぁくらいであまり実感がありませんでした。
そんなAmazon の倉庫見学ができる Amazon Tours が日本でも始まり、意外と簡単に予約ができたので早速行ってきました。
Amazon Tours に行くまで
詳細は以下の公式サイトをご覧いただければと思いますが、Amazon Tours は無料で誰でも参加できます*1。
「ご確認いただきたいこと」にもある通り、服装や持ち込めるものが決まっており、身分証を提示する必要があるので事前によく確認することをお勧めします。また、1時間半くらい歩きます。
開催時間は1日2回、9:30と14:30です。私は 14:30開始の会に参加しました。
倉庫は千葉みなとFC(フルフィルメントセンター)という場所で、千葉みなと駅から2kmほど離れています。徒歩だとちょっと遠いのでタクシーがおすすめです。
外観はこんな感じです。となりの工場もあり、外観を見たときはそこまで大きさを感じませんでした。
いざ中へ
エントランスから入るとベンチとロッカーがあり時間までそこで待機します。倉庫らしさを感じず、普通のオフィスかなと思うようなきれいなエントランスでした。
また、QCB4という大きな文字とAmazonのプレートが置いてあります。ちなみに倉庫内は写真撮影NGということだったので写真はこれだけです。

QCB というのは千葉に仮に空港ができた場合につけられるだろう空港コードということでした。AWSのドキュメントなどでもIATAの空港コード(羽田はHND、大阪はKIXみたいな)を使われていたりしますがあれと同じですね。
HNDやNRTでもいいのではと思ったのですがすでに連番(HND1〜9, NRT1〜9)が使われておりQCBになったということでした。
ロッカーにバッグやスマホを預けたら、エントランスからエレベーターで上に向かい、ゲスト用のゲートから入りました。
従業員用のゲートは空港の保安検査のようで、金属探知機と警備員の方のチェックがあり厳重でした。
ここでトイレに行ったのですが用を足していると目の前のポスターに、従業員を数字として考えているマネージャーがいたら人事に相談を、みたいな内容があって外資のKPIみを感じました。
倉庫エリアに入る前に、カフェテリアで注意点や荷物の流れの説明を受けました。入荷〜棚入れ〜ピッキング〜出荷という順番で実際の見学もこの流れに沿ったルートでした。
ちなみにカフェテリアでは野菜が栽培されており実際に材料として使われるということでした。あと、箸の色で定食の種類が分かれており、ボックスにその箸を入れることで満足度調査ができるということで、フィードバックを得られるような仕組みになっている点も印象的でした。
また、ここでこんな感じのワイヤレスガイドシステムが一人一人に渡されます。倉庫のような騒音が大きい場所でもガイドさんの話す言葉を聞き取れ、また質問するときも簡単だったのでこれはありがたかったです。
今調べて初めて知りましたが1台3万円近くする代物なんですね。。。さすが Amazon。
ガイドさんは3名、メインの方はエリアマネージャー(だったと思う)ということでおもしろい話を色々としてくれました。
そして倉庫エリア〜入荷→棚入れ〜
いよいよ倉庫エリアです。初めは入庫エリアです。
ここでは業者から送られてきた荷物を解き、スキャンした後に、折りたたみコンテナ(以下オリコン)に詰め替えるという作業をされていました。1つ目の工程ということもあり、箱を開けてスキャンしてオリコンに詰める、というシステマチックな動きにまずは感動しました。
続いて、棚入れのエリアです。先述の通り入荷〜出荷の流れがあるわけですが、この棚入れのインパクトが強くて正直他の工程をあまり覚えていません。。(当然他の各工程が重要ではないということではなく)
この棚入れのエリアの広さ、ロボットの動き、作業者の動き、それらを支える仕組みの説明を聞いて圧倒されてました。初めて見た時は思わず「え、すご、、、」と独り言が出てました。
この光景は YouTube に上がっている他の倉庫の報道動画で見ることができますが、目の前で見ると圧巻です。正直他のECは勝てないなと一瞬で思わせるような光景でした。
www.youtube.com
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ドライブと呼ばれるルンバのようなロボットが、ポッドと呼ばれるラックを持ち上げて、ステーションと呼ばれる人のいるところにポッドを持ってくるというのが基本的な動きです。
ドライブは、床に貼り付けられているQRコードを読み取り、それがルートとなります。充電が切れそうになったら自力で戻るそうです。
ステーションにいる作業者は、次々と送られてくるオリコンから商品を取り出し、スキャナーでスキャンした後にポッドの区切られた棚に商品を詰めていきます。
ポッドの棚の大きさは大小あり、入りそうなところに商品を入れると手元を見ているカメラによって自動的にスキャンされます。自動的に棚番号と商品が紐づけられます。手元のボタンを押すと順番待ちしている次のポッドが押し出されて出てくるような動きをします。形や重さによって入れてはいけない棚は上からのピンクのライトで照らされます。高い位置に入れるときは脚立に登って商品を入れていきます。
荷物の大きさによって入れられる棚が決まるので、手元にあるどの荷物なら今来ているポッドのどこに入れられそうか、入れられないなら次のポッドを呼ぶというパズル要素のある作業になります。結構頭を使う作業だなという感覚でした。
このオリコンから商品を取り出し、棚に入れる一連の流れは10秒程度で完結し、流れるような無駄のない動きでした。作業者の目の前のディスプレイには商品情報があり、その隣には秒数をカウントアップしているディスプレイ、ゲーム画面がありました。
秒数のカウントアップは作業者とのコミュニケーションのツールとして使われるということで、棚入れの動きを改善するために利用されるということでした。また、ゲーム画面ではキッチンカーでキャラクターが食べ物を提供しているようなゲームが映されており、棚入れをした数と連動しており、他の作業者とのランキングも表示されるということでした。ランキング上位だからといって何かをもらえるわけではないということでしたが、心理的に負けたくないと思わせる方法で徹底してるなぁと感じました。
作業者を守るため、人間工学に基づいた機器配置や工夫がされていました。立っている場所は、柔らかいクッション性の床になっており、足への負担が少ないようになっているということでした。また、今の時期はブラックフライデーのためポッドが満タンでしたが、通常時は商品を入れるのは腰あたりまでにしており、脚立の昇降やかがまなくても良い工夫がされているということでした。中のポスターなどを見てもとにかく従業員の安全性に気を配っている取り組みがされていることは印象的でした。
ちなみにドリンクや薬品などは従来の移動しない棚に置かれていました。薬品棚では万が一のために洗眼用のシンクがあるなど取り扱いに気を遣われているのが印象的でした。
出荷〜ピッキング→梱包〜
続いて出荷です。フロアは同じで出荷専用のステーションがあります。
棚入れとは逆で棚から商品を出してオリコンに入れるという作業が初めにあります。
今度はステーションに荷物を満載したポッドがやってきて、そこから作業者がピックアップしていきます。ピックアップする際、ポッドのどの棚にあるかがすぐにわかるように、ポッドの棚の位置がライトで示されます。
出荷用のステーションには秒数のカウントアップが無く、理由としては棚入れに比べると複雑な動きがないためということでした。
この出荷用ステーションへの移動中にクイズがありました。この倉庫にはティラノサウルスを何頭入れられるでしょうというユーモアのあるQuestionでした。ちなみに答えは4000頭でした。
出荷の次の工程は梱包です。別の階になります。作業者がいる場所にオリコンが流れてきてそれを箱詰めしていきます。この時ディスプレイには箱の種類が表示され、迷うことなく箱を選べます。
この工程ではお客さんの情報はQRコードによって紐付けられており、住所や氏名はわからないようになっています。
実際に見学できる場所はここまでで、ここから先は動画での紹介でした。専用の機械で空気の力で箱に触ることなく住所のシールを貼り付ける、荷物を放り込むと自動的にパッキングする、トラックへの積み込みなどの工程が紹介されていました。
まとめ
知識として動画などでも見たことがあり、ロボットが導入されて自動化されてる倉庫という認識はあったのですが、実際に見るとその規模に圧倒されっぱなしでした。
一方で思っていた無機質でごちゃっとした倉庫像とは違い、大きいダクトが観葉植物で隠されているなど遊び心がありました。大小さまざまな荷物が大量にあるけど無駄な物がないという非常にクリーンな倉庫でした。
またとにかく従業員の安全には配慮されており、安全性を確保するために数百万ドルが投資されているということも説明されていました。
従来のビブス+ネームプレートでは名前が分かりづらいというフィードバックから、タスキ型にして前後にカタカナで名前を入れるように改善したという話も聞き、作業者の声を取り入れつつとにかく合理的な選択をしていくという効率化が常にされている印象を受けました。
実際に目にするとAmazonの倉庫というものの印象が大きく変わるツアーなのでぜひ参加してみてください。
*1:申し込みページがわかりにくいのでこちらに直リンクを貼っておきます。。 https://events.amazontours.com/jp/onsite/qcb4